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私信など。


最近は会社設立準備や、海外での仕事とかバタバタしてます。それと、もしかしたらまた来年から大学院に戻るかもしれません。

次はオランダでビジネスとしての農業をちゃんと学びたいです。オランダ農家の平均収入はオランダ人の平均収入の2.5倍(出典:現代日本の農業ビジネス 八木宏典箸)の理由と日本へのビジネスモデルの応用がきかないか知りたいです。それか次世代がたの遺伝子組み換え(ワクチンを作るトマトなど)を自分で作って、一発あてたいです(笑)。まぁ、その場合は規制の問題からマーケットは日本以外になるでしょうが。。


それと、先日、メールでラム酒用サトウキビの品質と環境との関連に関する質問を送ってくださった方に分かった範囲ですがお答えします。長くなったのでエントリー上で失礼します。


土中の硫黄、カルシウム/マグネシウム比、有機養分の土中の割合、pHがサトウキビの品質(絞り汁内のスクロース含量、固形物含量(Brix))に影響を与えるというデータが以下の論文にありました(Sugarcane Yield, Sugarcane Quality, and Soil Variability in Louisiana Richard M. Johnson* and Edward P. Richard, Jr. Agronomy Journal 27 April 2005 )。


大まかに言うとサトウキビの生育に有効な条件が揃うほど(硫黄、カルシウム/マグネシウム比、有機養分の土中の割合が大きいほど)、Vegetation Period(日本語で行くと繁茂期?なんでしたっけ。ワサワサ葉っぱとか幹が育つ時期です。)が長くなって、砂糖や固形物の含量は下がるようです。また、有機養分(Organics Material)の含量が増える程、砂糖含量、収量は減るようですので有機栽培を行うと、(他の要因を全て無視すると仮定すると)、砂糖の絞り汁内の濃度は減るかもしれません。面白い結果ですね。


ちなみにブドウでテロワールを語る際のような微妙物質の違いを、サトウキビの品質評価の際は考慮されていないようです(参考資料:Sugarcane Moniroring Quality )。不勉強で、ラム酒の品質にサトウキビのどの物質のクオリティーが影響与えるのか存じないのですが、何本か論文を見る限りでは「サトウキビの品質」は絞り汁内の「砂糖」と「固形物含量」、それと「繊維含量」を指しているようです。感覚ベースでの回答ですが、ブドウと同じような意味合いでテロワールを使うのは今のところ馴染まない気がしますね。