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50年後に生き残れる農業


日本の農業で50年後に生き残るのは以下のようなタイプでないかと考えています。


①高付加価値、超高付加価値農業へのシフトできた企業 
②マーケティング、生産、食品事業をセット展開している企業 
③輸入野菜との差別化に成功した大規模農家


個人的に興味があるのは①です。高付付加価値は、1個1000円のマンゴーなどを想像していただければいいです。対して私の造語の超高付加価値農業というのは、遺伝子組み換えでHIVの治療薬やインシュリンを作成できるトマトの様な、本来の食品というより製薬目的での栽培を行う農業形態です。


HIVの薬を作るトマトというのは、夢物語の様に聞こえるかもしれませんが、実際に研究は進んでいますし、私の大学時代にお世話になった研究室の一つはインフルエンザ抗体を作る組み換えトマトの作成に成功していました。現在の日本の農業は③大規模農家を目指して、土木業界初め、企業の参入が進んでいますが、将来的にはワクチンのパテントを持った製薬業界などの参入も始まるかもしれません。


そこで私が一つ予測しているのは①を目指すアグリベンチャーの増加です。現在、アメリカも日本も研究者の過剰が問題になっており、非常に優秀な友人も研究職を得られず、結果的に関係ない職種につきました。もし、国が支援して世界中の優秀な若手研究者が産業化を目的にして無料で研究できる環境を与えられたら、日本農業の先端技術の厚みも増し、かつてのIT起業ブームのような状況も起こるかもしれません(大学ではどうしても論文数で評価が決定しますから産業化できる技術では弱いですね)。


②に関しては現在、成功している企業のモデルにも近いでしょう。和民フーズの例など良いかも知れません。


③に関しては、現在、大規模農業へのシフトが進んでいますが、コストを下げるというだけでなく、如何にして他の商品と差別化するか、という観点は抜けている場合が多いと思います。アメリカでは大規模な敷地で有機農業を行う例が多いですが、高温多湿の日本で大規模な有機農業をどうやって成功させるか。品質と量の両立は担当者の技術レベルが大きく関係する分野ですので、企業参入の淘汰はかなり行われると思っています(すでに始まっています)。


以上の様に、簡単に書いてみましたが、戦略決定、企業統治、IT戦略、マーケティング、SCM、CRM等に関して、現在の日本のトップ企業が行っているレベルの事を当たり前に行える事業者のみが農業でも生き残って行くのではないでしょうか。現在、閉鎖的といわれる日本農業がどの様に世界でプレゼンスを示していけるかは、関与している人間のプロフェッショナリズムに掛かっているといえます。


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