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ブラジルでサトウキビのエタノールマーケットがすごいらしい

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Fuelling the nation: Brazil's booming ethanol market (元記事Link)

色々とありましたが更新を再開します。

ブラジルのエタノールマーケットにまつわる記事。ソースはNature.


Demand for ethanol made from sugar cane is booming in Brazil, where it is used to make gasohol — the country's most common car fuel, consisting of 23 per cent ethanol.(中略)The country produced 282,000 barrels (45 million litres) a day in 2005, up from 192,000 in 2001. The ministry of agriculture is projecting 442,000 barrels a day by 2010.


(意訳)ブラジルでのサトウキビ産生のエタノール燃料の需要が急速に伸びている。ブラジルでは”gasohol”(23%がエタノールの燃料)が最も普及している車の燃料である。1日あたりの生産量は2001年は192000バレルであったが、2005年には282000バレル(4500万リットル)まで増加している。農務省は2010年までに442000まで増加すると予測している。


個人的にはバイオマスってどうなの?って思ってきた。CO2の影響やエネルギーとして有用なのは分かるが、多くの場合、連作による土壌の劣化や農薬等、農業の負の影響が喧伝されず、正の影響のみが喧伝されている印象があったからだ。

しかし、現状としてすでにブラジルではマーケットとして成立していると話が変わってくる。じゃあ、どうやって広める?から現状こうだけど、これをどうする?というレベルに話が変わっていく。文中であったが、ブラジルでのサトウキビ産業に携わる人数は100万人ほどになっているそうだ。


He and his colleagues estimate that the whole shebang costs about 250,000 kilojoules per tonne of cane. That tonne of cane in turn yields about 2 million kilojoules in ethanol and surplus electricity made by burning bagasse. That's an eight-fold return.


(意訳)1tのサトウキビを作るのに必要なエネルギーは25万キロジュールと試算されている。また1tのサトウキビからは200万キロジュールのエネルギーをエタノールとバガセ(さとうきびの感想繊維)を燃やす事で得られるとされている。


ほぅ、という感じ。また、サトウキビは窒素肥料を多く必要としないので、窒素肥料の過剰な投下による土壌劣化や水質汚染は心配は少ないのではとの記載があった。また石油と比較するとCO2の排出量がはるかに少なくて済むらしい。


今やブラジルのサトウキビエタノール事業は世界中の投資家の注目の的になっているとの事。金になる目処も完全についているという事か。ブラジルは他国への輸出用のパイプラインも作ったそうだ。


順風満帆に思えるバイオエタノール事業だが、負の影響としては、農耕地の拡大による森林伐採や、他の大豆等の作付けが減少する事による、食糧生産量が減少するかもしれない、といった点が研究者によって指摘されているようだ。しかし、その点を差し引いても、サトウキビによるエタノールの生産はブラジルのみならず、他のラテンアメリカの国にも広まりそうであるし、今後、熱帯では主要なエネルギー産業になってくるかもしれない。日本の農業にはあまり関係ない話題かもしれないが、今後のエネルギー戦略を考える際に無視できないファクターになるかもしれない。



毒を食らわすには (mixiより転載)

内田樹によれば、古い物語などには「清浄な身体が悪いものに冒され、その不浄な物を切りはなす事で再び清浄に戻る。」というモチーフが多々あるそうだ。そして内田は、「現代のストレスや公害で不浄となった私の体をオーガニックを食べたりデトックスをして、正常に戻そうとする」最近のデトックスブームとこの神話のモチーフとの共通性について指摘していた。

ここで気が付いたのは、食物も「良い食べ物」(オーガニックなど)と「悪い食べ物」(添加物、油など)にカテゴライズされており「良い食べ物」のみ選択して食べる事で、人々は体を清浄にしたい、という社会通念が存在しているのではないか、と言う事だ。だが食物の安全性は科学的には「毒性X摂取量」で表される連続的な指標なので、完璧に良い食べ物も悪い食べ物も存在しない。オーガニックだろうと健康被害は起こるし、添加物で安全性が高まる事もある。つまり、決してその良い悪いの感覚と化学的な説明は一致していない。

そして、このカテゴライズでいうと現在、遺伝子組換作物(以下GMO)は「悪い食べ物」の筆頭だろう。研究してきた立場として日本でのGMOの普及について今まで考えることが多かった。だが、今まで自分が考えてきたように、「安全性について消費者に理解を求めていけばいつか人々は食品の安全性について正しく理解してくれ、GMOの普及も進むのではないか」という考えは的外れだろう。必要なのは科学的な説明よりも、GMOの「悪い食べ物」から「良い食べ物」へのカテゴリー変更だと思う。

アメリカでは「GMOは明らかに体に悪い農薬の使用量を減少させるので、多少訳は分からないが受け入れよう」という方向で普及がすすんできた(現行の作物よりは「良い食べ物」だという認識のカテゴリーチェンジが起こった)。日本ではこのアプローチは今のところ上手くいっていない。近年はGMOの会社は中国を主なマーケットにしていて日本で本腰での普及をしようとはしていないから、すぐにGMOのカテゴリーチェンジが起こるとは思えない。だが、GMOのニュースが出るたびに、カテゴリーチェンジを起きる可能性があるか注目していきたい。起こった瞬間がGMOビジネスが日本で始まる瞬間だと思えるからだ。

追記:ということでGMOの研究よりもオーガニックの研究した方が金に繫げやすいんじゃないかと考えてる。GMO使った日本でのビジネスはまだイメージがわかない。中国やインドは別なんだろうけど。

キャッサバの時代

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農学研究者は自分の研究している作物こそ世界の飢餓と貧困と癌を撲滅すると、言い張りがちだ。

たとえば米なら、貧困層が最も主食として使用しているのが米だから(米の)品種改良は世界を救う。トウモロコシならビタミン含有量が高いから、大豆ならタンパク含量が高いから最高だ。みたいな感じ。自分も昔は米は世界を救って、ブロッコリーで癌と美容問題をすべて解決できるようになると思ってたから不思議なものだと思う。

その中で最近出てきた期待の新人にキャッサバ派というのがある。キャッサバ派が最近、なかなかいけてる。関連したニュースがあったので少し紹介。

「GM cassava has 'super size' roots」

http://www.scidev.net/content/news/eng/gm-cassava-has-super-size-roots.cfm?&utm_source=feed-1&utm_medium=rss

キャッサバっていうのはデンプン質の芋で600万人が世界で主食にしてるといわれる。

そこでオハイオ州立大の教授が遺伝子組み換えで通常より約3倍でかいキャッサバの作成に成功したとのこと。(写真)

デンプンの生合成に関係するADP-glucose pyrophosphorylase (AGPase)という酵素が過剰にできるように遺伝子を変えたよう。まぁ、芋が3倍でかくなっても取れる数が3分の1になってはしょうがないわけで、収量があがったのかどうかというのは分からない。でも収量があがったのなら、ビタミンなどの栄養素を増やす系の組換えと組み合わせて品種改良して飢餓地域に導入しても面白いと思った。

健康食ブームが食品業界に引き起こすジレンマ

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Healthy eating creates dilemma for the food industry(http://www.nutraingredients-usa.com/news/ng.asp?n=65356-jpmorgan-obesity-health-food
(健康食ブームが食品業界に引き起こすジレンマ)



要約:JPモルガンのレポートによると、健康食の爆発的な流行によって消費者は食品会社にとって利益率の低い健康食をより好み、利益率の高い穀物離れを起こしている。その結果、食品会社は利益を生む製品の研究開発に追われることになり、食品業界の再編が促される事になるだろう。



俺的理解:スローフードとか流行っていて地元の食品に注目したりとかで一見、中小の食品会社を益するように見えるけど長期的に見れば研究開発費の増大から財政的に弱い中小食品会社は大手に飲み込まれるようになるかもね。皮肉なもんだね。

カフェインが女性の性的興奮を呼び起こす可能性が確認される。

Caffeine could be Viagra for women, study

”カフェインは女性にとってのバイアグラ?”というエロスな記事。


ぼす


Nutra USAよりの記事。


7.5mg/kg程度の カフェインをメスのラットに加えると、Hしてから回復してまたHするまでの時間が減ったとのこと。つまり、やりまくりんぐ。


ですが、人はすでにカフェインは結構とっている状態なので、これ以上カフェインを与えても人に対する媚薬としての効果は薄いのではないかと発見した研究者はいってます。


残念。

古代小麦が全く新しい小麦を作り出す。

Ancient genetic tricks shape up wheat / http://www.nature.com/news/2006/060102/full/060102-2.html

あ

ネーチャーニュースより。


小麦などの世界で広く作られている品種は、何千年もの時を経て品種が形作られてきました。育種家の努力により、品種は洗練され、多くの問題を解決してきました。しかし同時にそれが広く使用されているゆえの、まるでWINDOWSのように、問題を抱えている事も確かです。小麦の品種はほとんどが遺伝的に近くなり、多様性が失われてしまいました。そして特殊な病気、害虫、干ばつの局所的な気候条件にたいし、小麦がフレキシブルに対応できないという状況が生まれています。


それに対する一つの答えは、遺伝子組み換え作物です。遺伝的に遠い作物や、他の生物から遺伝子を導入する事で干ばつや病気に強くするという回答です。そして問題に対するもう一つの答えとして、CYMMIT(トウモロコシなどの国際研究所)の研究者が一つの面白い回答を出しました。人が作物として使用する以前の、まるで雑草のような品種を育種に使用する事です。

中東から9000年前に小麦と分化した麦の遠縁(写真)を育種の材料として再び違うタイプの小麦を使用することをCYMMITの研究者が試みています。特に興味深いのは、再び小麦を生むための進化の過程を自然の中で起こった染色体倍加などを薬品を使って再び起こし、全く新しいタイプの小麦を作ろうとしている事です。


もちろん、未だ作成された小麦はまだ小麦といえないほどの雑草としての特徴を多く持つ品種に過ぎません。ですが新たな育種の材料としても今後の展開に期待できると思います。



2006年度 食品のトレンド予測

Neura Europe で2006年度のイギリスの食品業界の予測が載っていました。日本の状況にも通じる点があるのでは?


大まかに纏めると以下の3点かな。


■エスニックフードがブーム。市場が3倍に増える予想。

-日本じゃアジアブームも一通り終わった感じでしょうが。 レストラン会社の人がイギリスに支店を出すなら今かも。


■健康志向に関連する「ナチュラルフード」の市場は堅調に拡大

-日本も同じ。LOHASブームっすか。オーガニックなどなど。


■「ナチュラルな」食品に関する訴訟増える。

-これはこれから日本でも同様だろうと思う。ビタミンだってちゃんと抗癌性は証明されてないし、コラーゲンだってねぇ、、。


3つめが気になりますね。訴訟が海外で増えれば日本にも飛び火する可能性もあります。

何か健康食品を売り出すにはしっかりとした理論やデータの武装は必要になるでしょうね。


では良いお年を。

マンガと麻薬の共通点

やっぱりね!

一瞬、釣り記事かと思いましたが、書いていたのは天下のNature BioNews。

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マンガと麻薬の共通点 (クリックで本文へ)


「笑いは最良の薬」ということわざには真実がある。コカインの摂取で点火されるのと同じ脳の中枢が、漫画を見たときに点火した、と研究者が報告した。

スタンフォード大学(米国カリフォルニア州)の研究チームは、研究室の仲間、配偶者、友人に、新聞漫画の作品集からもっとも気のきいた漫画を選んでもらった。彼らは、人気の高かった漫画を並べて16人のボランティア被験者に見せ、その間、被験者の脳を機箔I磁気共鳴映像法(fMRI)で観察した。

研究チームは、脳の中の、コカイン、お金、かわいい顔などで刺激されるのと同じ報酬回路が、漫画で活性化されることを発見した1



参考文献


1. Mobbs, D., Greicius, M.D., Abdel-Azim, E., Menon, V. & Reiss, A. L. Humor modulates the mesolimbic reward centers. Neuron 40, 1041-1048 (2003).

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しかも興味深い事にマンガで刺激される部位とお笑い番組で刺激される部位は違うとの事。

つまりマンガばっかり読んでると、下の人見たくなっちゃうって事だね(詳しくはここ )。


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シャブ打つのならマンガ読もう!


けどこの実験で使われたのってアメコミなんだよなぁ、、。

農業のソーシャルネットワークサイト

ブログでの営業は最近はやってますが、次に来そうだといわれているのがソーシャルネットワーキングサービス です。

オープンソースのSNS の公開以後、あちこちで「おたく」専用SNSや「D.T」専用SNSができているようです。

それに伴って農業専門SNSも登場したようです。

「SNS あぐり」

まだ招待制でなくて自由に入れるようなので興味のある方は入っていたらいかがでしょうか?

アジアの薬草がヨーロッパ健康マニアの心をつかむ


Asian plant extract adds novelty to European foods

次はアジアの薬草がヨーロッパでくるんじゃね?っていう記事。

私、子供のころに焼けどをしたりするとアロエを付けられたり、膝をすりむいたりしたらヨモギ()を刷り込まれたりしたもんなんですが、ヨーロッパ人はマジでそんなんに興味津々。「まじ、神秘じゃね?」って感じらしい。


向こうでこういうの作ってるドイツ人の製薬関係者が記事で語ってます。


「最近の消費者はちゃんとしたデータの裏づけがないと飲みたくないっていうっす。でも古くから東洋で飲まれてた薬草なら信じてくれるっす。」


さらにかれは語ります。

「昨年、gingkoっていう植物をダブルブラインドの臨床試験にかけたら、いいっぽかった。」


ダブルブラインドの臨床試験っていうのは、まぁなかなか確からしい試験ってことです。

これをクリアしたら健康食品としてはじょうじょう。なんか被験者の体調が良くなったって言ってます。


そしてgingkoってなんかと思って調べたら、、


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(クリックで大きくなります。)

なんだよ銀杏かよ。しかし写真は右から2番目のgingko bonsai ってのが気になりますね。

そんなこんなで、ヨーロッパで「まずーーい!もいっぱい!」ってのが聞こえる日も遠くないのかもしれませんね(適当)。


関連する思い出 

アメリカ留学時に友達のアメリカ人に葛根湯をむりやり飲ませたら半狂乱になられた事があった。