Agribusiness.com (ビジネスチャンスを産むバイオ情報サイト) -3ページ目

カーギルがジュース専門部隊創設

ジュース

前から書いているように今後の健康食品のトレンドとして

1. 植物由来のサプリメント

2. 機能性食品()の高まり


という流れがあるようです。今日はその関係の英語記事。


野菜や果物などを品種改良などでがん予防作用といった健康機能を高めた食品。私が作ってたビタミン増強ブロッコリーなんてのもこの一環です。健康食品への不信感や食品の健康志向。品種改良手法の向上などで時代の農業の主力商品と期待されてます。


Cargill prepares for functional future of fruit juice  (カーギルが機能性フルーツジュースに特化する部隊を設立)


世界最大手の農業関係企業(もともとは化学系ですが農業関係も色々やってます)のカーギルが機能性食品のニーズの高まりに合わせて栄養価を高めたジュース専門部隊を設立だそうです。なんでジュースなんでしょ? ジュースはすでにカルシウムを加えたりとかいうのがありますが、食品として加工しやすいんでしょう。日本のビバレッジ業界も流れに乗り遅れたらいけませんよ。


関連記事:Functional foods grab industry attention at Anuga

Anugaという食品展示会で機能性食品がフューチャーされたという記事です。


関連しない記事:農耕士コンバイン  秋田大のアニメ部が作ったほろ苦い農業アニメ。デンパ。(俺様イズム

アジアのビタミンブーム

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Vitamin boom after disease outbreaks in Asea (Neuro Europe).


今はアジアが熱い!と言う事でアジア全体でサプリメントブームが鳥インフルエンザやSARSの後あと位からおこっているらしいです。

例えばインドネシアでは

2002 2003 2004 (年)

$200 => $268 => $322 (単位:100万ドル)

という増えっぷり。


日本やヨーロッパではしばらくしたら、サプリメントの需要は微減していくとの話ですし、中国、インド、ASEANのそれぞれの国に合ったカスタムメイドのサプリメントの開発などもいいかも知れません。


関連:ビタミン産業のみらいは明るいか?  :ヨーロッパサプリメント産業の業界予測について書いています。

話は変わりますが、さっき放送あった『大奥 』面白いですね。

椎名林檎の新曲聞きたくてみたんですが、まじビビッタ。こえー。

新しいバイオマス発電用植物がアメリカで開発される

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(クリックすると大きくなります。)


Hybrid grass may prove to be baluable fuel source (Illinoi univ. news)


アメリカの農学界で一番今予算が下りやすい分野はなにか?

自分の周りでは機能性食品、オーガニック、そしてバイオマスだった気がします。


wikiのバイオマスのページ ではバイオマスの定義は「化石資源ではない、現生生物構成期限の産業資源」となってます。


簡単に言い換えますと、石油とか石炭とかはいつかなくなるし、環境にも悪い。そこで植物からエタノール燃料を作って車をはしらせたり、燃やして電気をつくっちゃおうという運動があります。そのような目的で使えるような生物由来の資材をバイオマスといいます。畜産の糞尿からメタンガス作ったりなんかも植物と動物との違いはありますがその一環ですね。植物関連ではサトウキビからエタノールつくったり、草みたいなのを燃やして電気作ったりします。


ですが実用化は始まったばかりでして、そのための研究が盛んです。


今回作られたのは Giant Miscanthus (ジャイアント ミスカンザス)という新種のハイブリッド品種(遠縁の植物を掛け合わせるハイブリッド法という品種改良法で作られた品種)です。高さは13フィート(約4m)で茎を利用するそう。


この新品種の利点とは以下の点

1.燃焼時のCO2排出量が低く育成時にこの植物が消費するCO2量を超えない(燃やしても温暖化の原因にならない)


2.エネルギー効率が良い。インプット/アウトプットの比が0.2。現存のキャノーラ由来の他のバイオマス資料でしたら0.8なのでかなり向上してます。


3.収量が向上している。今までのバイオマス植物は30t/エーカーだったのが60t/エーカーまで向上したそうです。生産にはやや涼しい所が適してるそうです。


次のステップとしては普及でしょう。ちなみに開発したのは自分の出身校なんで懐かしいです。実験圃場は自分がブロッコリー育ててた所と隣でした。あの謎のデカイ草はこれだったんですね。単なる雑草かと思ってました。びっくり。

遺伝子組み換え長寿マウス

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(写真はクリックで拡大します。)


上の写真は「Klotho」という遺伝子をオーバーエクスプレッション(通常よりも激しく働くように作り変える)させられた遺伝子組み換えネズミっす。普通はネズミって2年しか生きないらしいですが、こいつらは3年目の誕生日を迎えたそうです。科学者はこのKlotho遺伝子は老化を防ぐホルモンの生成に関係あるのでないかと考えているそうです。(ネタ元 Sciende news)


僕らはすでに成長しているので遺伝子を組み替えるのには少し遅いですね。受精卵の段階でこの遺伝子をぶっこまないといけないですから。この研究をもとにホルモン療法で寿命が延びるっていう可能性は現実にあるかもしれません。どなたか投資してみたら?

農業のイメージをどう変えていくか



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Science of Gardening


農業はかっこいい」というとどこかしら少し自虐的だと思ったりします。
農業の一般的なイメージとすれば、作業着のオッサンと農薬の袋。そして堆肥、、、。

もしくは逆に突き抜けて「自然と共存する生活なんてステキ☆」というロハス的な感じになるんでしょうか。
だけど「スローフード&ロハス大好き!」となると恵比寿のOLかよ、、、とか思ってしまいます。

個人的に考えるのは「社会で一番優秀な人材に農業に来てもらうにはどうしたらいいのか?」という事です。
今は大体、優秀な人は官僚、金融、コンサル、一流メーカーって感じでしょうか。最近は独立する人も増えましたね。そしてその中の選択肢に農業はありません。

色々な人に農業に来てもらうために今では国をはじめ色々と試みがなされているのは確かです。
その中にはメディア戦略ってのもあるのでしょうが、今の農業に対するメディアって正直あんまり格好のいいものではないかもしれません。だいたいが、「土と生きる」か「ステキな田舎ぐらし」みたいなの。
若者をひきつけるウキウキ感が足りないんですよ。農業やってもヒルズには住めそうも無いですもんね。

Science of Gardening は映像を使って農業の色々な面を紹介していくサイトなんだけど、こういう紹介の仕方って日本でも上手く使えないのかなと思いました。

トップページの文章に

LIKE ALL GREAT ENDEAVORS,
GARDENING IS BOTH A SCIENCE AND AN ART.
- 全ての冒険と同じように、農業は科学であり芸術です。

(gardening はあえて農業と訳しました)。

 
上で言いたいのは多くの人をひきつけるには、農業が「胡散臭くなくて、科学的で、産業としてしっかりと成り立っている。そして誰にでも成功するチャンスはある」というイメージを作っていく必要があるのではないかという事です。今のIT産業に持ってるイメージってこんな感じですよね(胡散臭いのも多いが)。だから多くの人が行くのでしょう。

そういうイメージを作っていくにはデザインとかで上手くプレゼンテーションしてるホムペもどんどん作っていけばいいでしょう。農業だから、、というのではなく、産業として不人気の日本の農業だからこそ、SCMだろうがPLMだろうがITだろうが経営戦略でしょうが今ある最先端の使えるものは全て使って産業として盛り上げていかないと駄目だと思ってます。

アメリカの穀物メジャーはこういう事をやってるんですよ。それがアメリカ農業が強い一因かもしれません。むこうじゃ、農家や農業研究者で億稼いでるひとって沢山いました。インディアナポリスの穀物メジャーの研究所の横の湖に豪邸が立ち並んでそれが全て農業の研究者のものだと知ったときに自分は本当にショックを受けました。金だけじゃないのでしょうが、金も必要です。
日本の農業はどこにいくのか。良くなるにせよ悪くなるにせよ、せめてやれる事はなんでもやっときたいですね。

ノーベル賞

ことしのノーベル賞も決まったようだ。

化学賞がメタセシス反応 、医学賞がピロリ菌 のようだ。

今まで自分が日本にいたときはノーベル賞の受賞者と関係した事はほとんど無いのだけど(しいてあげれば利根川先生が京大にいたくらいか)、アメリカにいた時に同じ大学の教授が二人同時受賞した。


あの大学ではノーベル賞もフィールズ賞(数学の賞)も沢山いて、そんなにチヤホヤされない。日本の田中さんのブームを見てると、アメリカ人ももっとほめてあげようよ、、なんて思ってた。


そして一度だけケミストリーの学部のエスカレーターでちょうどノーベル賞をとった教授と一緒になった事があった。


なんか遠くを見つめているおじいさんで、ちゃんとラボまで歩いて帰れるのかちょっと心配になった。

ブロッコリーの新発見

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Broccoli compounds may protect joint health (Nutra Europe)


自己紹介にも書いてありますが、私は昔ブロッコリーの育種にも関わってました。今回の記事は「ブロッコリーに含まれるサルフォロフェンは関節炎にも効くのではないか」という事です。


元専門なんでちょっと語りますがブロッコリーにはグルコシノレートというのが含まれるのですが(ブロッコリーの硫黄臭い匂いの物質です。)、その一部がサルフォロフェンというのに体内で変わります(詳しいメカニズムは少ししかわかってないですが)。それでそのサルフォロフェンが体内の解毒作用(いわいるPhaseII enzymeです)を持つ酵素を活性化させつ事がかなりのレベルで分かってます。


Detoxification(解毒)は一般的に肝臓で行われる働きで大雑把に言えば、「不溶性で毒性のある物質を水溶性にして小便から捨てられるようにしよう」という体内の作用の事です。解毒に関係する酵素には2種類ありまして、一つはPhase I 酵素、もう一つはPhase II酵素です。二つのタイプは物質を水溶性にするメカニズムの違いで分けられます。サルフォロフェンはそのうちのPhase II 酵素の働きを高めると言われています。


そのために、ブロッコリーのそういった体に良いメカニズムを研究して、すげーブロッコリーを作って儲けよう(もしくは政府主導なら健康増進)といったプロジェクトがあります。この記事になったのは、そのいっかんで、関節炎にもいいとか。 関節で炎症と痛みを引き起こすCOX-2 酵素の働きを抑えるということだそうです。


ブロッコリーの育種はアメリカではそこそこ盛んですね。ちなみにブロッコリーの種のトップシェアーは確か日本のサカタ種苗だったと思います。これだけ分かってきたんだから日本でもブームしかけなきゃ!とか思うけど、ネックは味ですよね。アメリカじゃ天ぷらにして食べるけど、天ぷらねぇ、、。



新しいブロッコリーの品種じゃ「スティックセニョール」というのがあります。



これはかなり美味しいですよ。好物です。


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日本人は菜の花すきだし(ブロッコリーと同じアブラナ科)こういう茎系だったらはやるかも(あ、でもサルフォロフェンは花の方が多いかw)


スティックセニョールのサーモンポテトロール -goo グルメ

リンクに「味館 」さんを追加しました。味覚の専門家の方のサイトです。自分と違う視点でおもしろいなー。

My Clip

サイドバーでMy Clipを使ってニュースの紹介を始めました。
興味のあるものを色々なサイトを探してリンクを作ってます。
基本的に毎日更新してるんで、御覧ください。英語のニュース解説とかもやってきます。

かけ

写真は青山のNoa Papaのケーキです。近所の中目黒の支店で買って食べました。苺の製品がたくさん出てました。酒飲みの癖に甘いものもすきなんで困りましたね。

でも、本当においしかった、、、。
代官山のショコラベルアメール  も中目黒に越してくるようです。またケーキを食べてしまうね。
アメリカから帰ってきたときよりは痩せたといえ運動頑張ります。

遺伝子組み換えワインに期待!?

vine


「韓国軍人が踊る恋愛レボリューション21」 というのが突然、アメリカの友達から送られてきたのだけど、そんなことはどうでも良いですね(面白いので興味のある人は見てください。クオリティー高い)。今日の記事はフランスで組み替えワイン用ブドウの研究にワイン生産者が不安がっているという記事Genetically modified vines worrys french vine maker : yahoo.com 英語)です。


National Institute for Agricultural Research (INRA) という研究所がフランスのアルザス地方にあるそうなんですが、周囲のワイン農家は風評被害を恐れているようです。 ワイン農家のPierre-Paul Humbrechtさん は記事の中で「説明もなしに、作りやがって。まじ切れる。」なんて言ってます。切れたフランス人ってなんだかすごく怖そうですね(イメージです。)また同様の実験農場はシャンパーニュ地方にもあったみたいなのですが、周囲の反対でおとりつぶしになってるみたいです。


さて、ここで研究しているのがどのようなタイプのGMO(遺伝子組み換え作物)の研究をしているのかといいますと、フィロキセラウィルスに対する根の抵抗性を遺伝子組み換えで向上できるのか、というものみたいですね。フィロキセラってのはやっかいなウィルスでして、今は強い農薬をつかったりして(抵抗性の接木とかもかな)対処しているらしいです。


科学者の言い分としては

「この研究は将来的に多くの生産者に利益を与える。少し実験用に植えるだけだから見逃してください。」


生産者の言い分としては

「フィロキセラが問題なのはわかるけど、正直やめてくれ。チリとかオーストラリアから安いワインが入ってきてただでさえ大変なのに売れなくなんじゃん。」


という感じでしょうか。


ポイントとしては

GMOの問題は得られるプロフィットとリスクのバランスによって判断しないといけない。

その観点から考えると、このケースでは「得られる利益は風評被害(もしくは実際に交雑が見つけられた時)のリスクに比べ、大きいとは言えなさそう」と思います。


先日、日本でも筑波で遺伝子組み換え米のオープンエアーでの実験が始まりましたが、(稲は自殖とはいえ)環境に加え周囲の産地に与える影響はこれからGMOを語る上でキーポイントになってくるといえそうです。



アメリカは日本牛の輸入禁止を継続の方向

cow



原文:Senate Decides to Continue Ban on Japanese Beef
http://www.gourmetretailer.com/gourmetretailer/headlines/article_display.jsp?vnu_content_id=1001179806


「日本がアメリカの牛の輸入禁止の継続を決定」ではないです。逆です。逆。

アメリカは日本牛の輸入を日本でBSEが見つかっていらい禁止しています。

今回の決定は科学的なもの、というよりも日本のアメリカ牛輸入禁止に対する報復的な、、という見方のほうが正しそうです。


Exicite Bit の記事(http://www.excite.co.jp/News/bit/00091115638342.html )によりますと、密輸神戸牛などもアメリカでは出回っているようです。


BSEに関しては「BSE&食と感染症つぶやきブログ(http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2)

さんが詳しいです。


自分はアメリカにいたころ牛肉食べまくってたので、ヤコブ病心配ですね。政治的な圧力に負けて日本も輸入再開とかなったらまずいな、とは思います。やばいっしょ。あれ。